ころびとはアブラギリのことで、放っておいてもどんどん成長し、実や葉に弱いけれど毒があるのでシカも食べず、食害で荒廃しきっている山にあって「どこにでもいっぱい生えている」木です。
日当たりのよいところにどんどん生えてくるのでむしろ嫌われ者で、邪魔者扱いなのですが、かつてはこの「ころび」は金のなる木だったのです。
ころびの主な利用法は、種を圧搾して油を取ることです。
この油は、江戸時代には灯油や和傘の撥水剤などとして利用されていましたし、ろうそくの原料にもなりました。
また絞り粕は肥料として重用されたため、かつては米の収穫後の貴重な収入源であったといいます。
さらに葉は微毒があることを利用してお餅を包んで「葉もち」とし、腐りにくくしたそうです。
この「ころび」、若狭地方と島根県は日本の二大産地であったとか。
アブラギリの活用は、NPO法人若狭くらしに水舎に引き継がれています。