夏休みの音と空気と匂い

今日から夏休み、平日だが誰かやってくるかもと思って上根来へ。雲一つない真夏の上根来、見るからに暑そう。でも下界より2度ほど涼しい。風も熱風ではなく心地よい涼風。

冷風機を用意して、カンペキな仕事体制をセッティング。開放感の中、気持ちよく仕事をしていたのだが、そのうち「あれ?これって冷風機なしでも十分涼しくないか?」と気がついた。試しに冷風機を止めてみると、「動くと汗が出るが、体を動かさずにいれば汗は出ない」程度に涼しい。いや、これくらいが一番快適かも。

 

 

開け放った縁側から顔を出してみると、じわっと汗が出てくる程度に暑い。しかし家の中に入るとひんやり涼しく、風がゆるやかに通り抜けていく。おー、なんて気持ちいいんだ。

外は人気のない静けさの中にヒグラシの声が響いている。ときおり風が緩やかに吹き抜けて椅子の下に置いた蚊取り線香の煙を撒き散らし、ふわんと蚊取り線香の匂いが上がってくる。ああ、子どものころの夏休みだ。半世紀近く前の音と空気と匂いの記憶がよみがえった。母方の祖父母の家の、あれは祖父の書斎だったろうか。夏休みの友をやっていた。ああそうだ、祖母が切ってくれたスイカの青い匂いも重なっていた。

今いるのは人里離れた上根来で、机の上にあるのは夏休みの友ではなくパソコンとタブレットだけれど、そしてスイカもないけれど、あの時代がふわっと蘇った。